当院の治療の特徴❶「タッチトーク」
一人ひとりの病態や活力の状況を、「からだに聴く」ことから治療が始まります。
「からだに聴く」こと。これを「タッチトーク」という手法で行います。
この方法は、当院の治療の特色のひとつです。
カイロプラクティックの創始者・DDパーマーは、「からだには叡智がある」と確信していました。
その叡智に働きかけることで、自然治癒力を高めることを治療の目的にしていたのです。
100年以上も前に言われたことなので、今では「叡智」は何のことか、議論がわかれるところです。
その「叡智」は十全に働かせるためには、神経系の働きをしっかりさせることだ、とD.D.パーマーは考えました。
神経の働きが低下あるいは過剰になっている部位に、末梢から刺激を送り神経系を調整する方法を考えたのです。
それが「カイロプラクテック」と命名された方法論と概念を創り上げたのです。
そこから、当院では「からだの叡智」に聴くことをめざすようになりました。
神経系の伝達は、「0」か「1」のシステムで動いています。
言いかえれば、「興奮」か「抑制」かです。脳は「神経細胞」という素子、コンピューターは「トランジスタ」という素子、その違いはあるものの原理は同じです。
やがて、患者さんの「からだ」とコミュニケーションが取れるようになり、体に触れる(タッチする)ことで会話ができるようになりました。
と言っても、「イエス(興奮)」あるいは「ノー(抑制)」での会話です。コンピューターなどのシステム応答と同じ原理ですね。
人間の記憶装置には顕在意識レベルだけでなく、潜在意識の中に多くの情報が貯蔵されています。
例えば、どの部位、どんな影響に問題があるのか?
問題のある部位や影響を受けている事項をしぼっていきながら、体からの応答を聴きとります。
こうして身体問題から、身体に影響を与えている環境問題や精神・心理面にいたるまで、問題や障害されている部位を特定しながら、治療を進めて行きます。
身体(構造)と精神(心理)、あるは化学(食、ドラッグ)など、基本的な要因の情報を、体は持っているのです。
体が抱えている、それぞれの問題を効率よく聴き取る方法が、「タッチトーク」という手法です。
そして、体が指摘してきた問題のある機能、治療すべき部位に対応をするように治療する。
それが当院の治療の特色の一つになっています。
例えば、こんなケースもありました。右の膝(ひざ)関節が痛い、という患者さんでした。
「タッチトーク」では右の肘(ひじ)関節の治療が要求されていました。
訴えている膝とは、まったく違う部位ですね。私も間違えて聴き取ってしまったのかと思いました。
もう一度「タッチトーク」で聴き取りましたが、やはり同じ答えです。
からだの仕組みにも、ベクトルという考えがあります。
情報やエネルギー系の伝達する方向のことです。ヒトの体の機能にも、情報やエネルギー(力)を運ぶルートがあるのでしょう。
肘からの情報やエネルギーが上手に膝に運ばれないために、膝が不具合を起こす、そんなケースもあり得ることになります。
ですから、当院では症状を訴えている部位ではなく、体が要求している部位を治療することも頻繁にあるのです。