変形は正常な老化現象:痛みとは関係ない
年を重ねるにしたがい、骨組織は変性していきます。
骨組織だけではありませんね。皮膚や筋肉も同じです。
ですから皮膚には加齢でシミやシワができます。
ですから、レントゲン写真を撮れば、年と共に背骨の変形は増えていきます。
当たり前の話ですが、その変形は腰痛とは関係がありません。
変形したからといって、痛みが出るわけではないのです。
腰痛患者378名と健常者217名、合計595人の腰部X線写真を比較した研究があります。(“Comparative roentgenographic study of the asymptomatic and symptomatic lumbar spine”「腰痛患者と健常者の比較レントゲン撮影調査」)
論文は、腰痛の患者さん、腰痛のない健康な人たち、どちらにも同じような割合で脊椎の変形があることを報告しています。
脊椎の変形は、加齢とともに増える正常な老化現象なのであって、痛みとは関係がないのです。
要するに、シミやシワと同じなのだ、ということが証明されています。
ですから「○○変形症」と診断されても、気にすることはありません。
だいたい「変形症」という病名があることがおかしいのです。
「老化症」という病名がついたら、おかしいと思いませんか?
それと同じことです。老化は病気ではありません。
でも「○○変形症」という病名をつけられると、「もう治らない」と悲観的に考えるようになってしまいます。
悲観的な心理は、痛みにとって悪くなる要素となります。
良くなるプロセスを邪魔するだけです。